詩 集

藤原祐子詩集『編み笠をかぶれば』
おはやしに合わせて
編み笠を通って
頭から足のつま先まで
地面をさするぞうりの音が
踊り子の魂を占める
踊り子はそれらに連動して
しなやかに
踊り続ける
                  (畠山義郎)

著者自装
西馬音内盆踊り女が編み笠を通してみる故郷、家族、社会。


四六判上製・206ページ
本体2100円+税
 木内むめ子詩集『古里残心』
「夢の真ん中にも海があった」水平線に詩人は何を見たのか。
古里への郷愁や過ぎし日の豊かな航跡。
夫との永訣、師や朋友を送る悲しみなども自分史(詩)に重ねる。
齢を重ねて素直に滲み出る温かさに読者は親しみをおぼえるだろう。          (山形一至)


著者自装
A5判上製・220ページ
本体2500+税
芦野時子詩集『薔薇ぐるい』 
群青に輝く繊細な感覚は、万有と融け合い読者を惹きつけて離さないだろう。齢を重ねても遠い日の純愛の香りを運んできて、分身となった少女の思慮深く典雅な真井のように、リズム感といのち溢れる詩編に魅了されてしまう。                         (山形一至)

著者自装
A5判上製・236ページ
本体2500円+税
若木由紀夫著『百葉箱』
   「季節は記録されなければならないのです」
風雨に打たれる白い百葉箱。
それはK先生その人のように気高く、悲しく佇っていた。

詩人が操舵する言葉の船は、虚実の河を蛇行しながら、奈辺をめざそうというのか。


著者自装
A5判上製・120ページ
本体1800円+税
(komayumiの会発行)
吉沢悦郎詩集『インサイド ストーリー』
 『子守唄プラス』『アウトサイド ストーリー』と、自己や世界をつねに凝視し続けてきた著者の第3詩集。

京城に生を受けた著者による、執拗なまでに内部世界を探求し続ける、硬質な抒情と時間旅行の世界。


著者自装
A5判上製・63ページ
本体1300円+税 
 駒木田鶴子詩集『落花無量』 第36回(平成22年度)秋田県芸術選奨
第1回秋田県現代詩人賞の著者が、7年の歳月を経てまとめあげた、渾身の第3詩集。

季節の山野や結界のような花垣に、また亡き夫君への追悼詩にいのちを写し、天地の営為に聡明な光をあてた。多彩な詩的言語で内奥から飛翔を試みる世界こそ、詩人が開いた感性の道なのだろう。  (山形一至)


A5判上製・138ページ
本体2000円+税 
小野尚石漢詩集『偸生漫吟』  
 往事を留める風物も消えつつあるが、一九四五年の炎天下に体験した「国破在山河」の思いだけは今になっても鮮やかである。
 私の漢詩への原点はここにある。
 いつか作ってみたいと思っていた漢詩に関わって十年が過ぎた。老境に入ってからの漢詩づくりは、文字どおりの手さぐりの状態であったが、幸いにも良き指導者に出逢うことが出来、漢詩というものの屋内に入ることは出来なくても、門まではたどり着くことが出来たと思っている。
 今にして漸く作詩の要諦が解ってきたので、少しは詩らしい詩が作れると思う。(「自序」より)


A5判上製函入・464ページ
吉田朗遺稿詩集(続)
 『吉田朗遺稿詩集』が「秋田民主文学」を中心とした詩を集めたのに対して、続編は、秋田魁新報「あきたの賦」掲載の詩を中心として収録した。

表紙は、著者の愛した雄物川河口の夕暮れ。


四六判並製・70ページ
本体800円+税 
吉田慶子詩語り『降れば 降ったように』
  詩や文章を書く時、読み手の呼吸を識しながら余韻の幅を広げ、主張など飛ばしてしまって、あとは読み手の感性に任せる といった表現をしたいものだと考えるようになりました。つまり、一篇の詩を書き手と読み手と両方で作り上げることができたらいいな、と思っているところで す。
 書名は、事に当たっての柔軟な対応、見立ての妙を楽しむゆとりなど奥深いものが感じられるので、お茶の弟子である私も度々使わせてもらっている言葉です。
 「何があっても、どんと来い。」という心意気が潜んでいる気がし、この詩集のタイトルとさせていただきました。」


著者自装
四六判上製・横長・98ページ
 石田幸栄詩集『サイン』
詩・短歌・俳句・川柳とすべてをこなす、オールラウンドの著者による、初めての詩集。

四六判並製・79ページ
本体1200円+税
 中村範子詩集『火打ち石の音が聴こえる』
 彼女をめぐる人々、肉親をはじめ村人たち仲間たちへの想い。暖かい交流をほのぼのとした抒情で描く。ヒューマニズムに溢れた作品群である。
自分の新鮮な生活語で新しい世界を彫刻してゆく輝かしい詩集である。(小坂太郎氏)


A5判並製・251ページ
本体2500円+税
 斎藤肇詩集『日々の道』
かつて「詩は人生の道づれ」と語っていた詩人、沢木隆子氏を尊崇してきた著者の第二詩集。信念を貫く詩魂は、農や自然、生命あるものとの共生を果たすことで花開いた。日常生活に基軸をおく着想は、磨かれた感性で時流の変遷にも敏感に反応し、智への問いかけとなって読者の共感を呼ぶ。(山形一至氏

A5判上製・170ページ
本体2000円+税
 近藤彰著『蒼い宝玉』
 詩と随想集―謡曲の世界―。
「すでに芸術として完成されている能楽に、あまり寄りかかってはだめであるし、その中の言葉や場面をちょっと借りてきて、大いに関係のあるようなふりをしてもだめでしょう。詩としての独創性と能楽の芸術性がどこで触れ合うのか。それは私にとって重い課題であるといえそうです。」(あとがき)


A5判上製・271ページ
本体2500円+税
石川悟朗詩集『蒼の紋様』 第25回(平成20年度)秋田市文化選奨
  時空を鮮明に把握し/さわやかな 蒼のいのち/人の心に愛の結晶をともし/不可思議な紋様を昇華させた/
石川悟朗は大樹だ/包容力で宇宙を見据え/大地にはりめぐらせた根の/叡知の溢れ(今川洋)


A5判上製・134ページ
本体2000円+税